『 エスケイプ・フロム・リビングデッド 』 ( 2006・英 )

◆ エスケイプ・フロム・リビングデッド ( 2006年・イギリス )

 監督:マイケル・バートレット/ケヴィン・ゲイツ

 出演:ラッセル・ジョーンズ 、クレイグ・ストーヴァン、ジョニー・ハーン、

     ジェームス・フィッシャー、アンナ・ブレイズ 他

 評価…★★☆☆☆

<あらすじ>

英国内で感染率も致死率も極めて高い奇妙な病気が発生し始める。この病気の奇妙なところは、感染してすぐに高熱や嘔吐などの症状が出て数時間苦しんだあげく意識を失い死に至るのだが、間もなく生ける屍として甦り人を襲い始めるという点だ。この病気が未知のウィルスによるものだということだけは判明するが、政府の対応は後手に回り、正しい情報も公開されず有効な対策も打てないまま、奇病はどんどん蔓延していき、他の国々でも感染者が現れ始める。 英国内は当然パニック状態だ。

そんな中、ロンドンのテレビ局のスタッフ4人がこの状況を伝えようと、街を離れ地方取材へ出る。真実を伝えようと意気込むクルーたちだったが、彼らの判断は余りにも甘かった。彼らが出発してすぐに幹線道路は封鎖され家畜の処分命令が出されるなどウィルス殲滅対策がとられるが、時すでに遅く彼らが辿り着いた小さな町の住民は全てウィルスに感染し、生ける屍となって襲ってきたのだ。

感染者たちと戦いながら、何とか生き延びる術を探し、かつ、その様子の全てをカメラに収めようとするクルーたち。そんな生活にも慣れた頃に、ようやく彼らは他の生存者のグループと巡り逢えたのだが…。


覚悟はしてたけどつまんなかったですわー(T_T)  個人的にハンディ・カメラ系の作品が嫌いだというのもあるけど、本作にはそれだけではない始まってすぐつまんないとわかる、あの駄作特有の空気感があります^^; まぁ、要するにテンポが悪くて状況説明もきちんとできず見せ場もないまま、ダラダラ続く作品なわけですね。

※以下ネタバレ有り※

ゾンビやそれに関わるグロ描写などは驚くほど伝統的なタイプですが、あくまでもウィルス感染により発症する病気という扱いなのがちょっと新しいかな。感染源や経路が明確にされてないですが、血液に触れることにより感染するという認識みたいで、感染者を始末した後に神経質に消毒したり、血まみれになったモノを廃棄する ( 車ですら! ) のがこれまでにない感じ。あ、感染してすぐ死んでゾンビになるんじゃなくて、いわゆる病気の症状( 高熱、嘔吐など )に苦しんだ末に死亡し、ゾンビ化するっていうのも今までにない嫌な点ですね。苦しんで死んで、そして楽になれないってねぇ…。

ちょっと目先を変えたというレベルで、真実新しいものではないですが、この未知のウィルスによる病気だというところに力点をおいて、バイオハザード系のパニックものみたいにして作ってたら、ちょっとは面白かったかもしれないですね。実際は冒頭がそれっぽいだけで後は全然ですが(T_T)

まぁ、その辺は想定の範囲内ではあったのですが、本作で唯一の見所だろうと期待していたゾンビを超える、人間の異常性の恐ろしさみたいなのもろくに描かれてないのにはほんとにがっかりでした(T_T)

その異常性みたいなのはラスト近くなってようやく出てくるのですが、元々快楽殺人者なのか、異常事態でイカれたのか、ゾンビ殺しからエスカレートして人間を殺すようになったのかもはっきりしないし、いずれにしても、その辺の描写はほんの少ししかないんですよ。

で、オチも何だかなぁ…。一応軍が出てきて混乱状態は終息を迎えたらしいことはわかるけど、外部の状況がどうだったのかとかもわかんないし。ハンディ・カメラで撮影されてないことはわかんないってルールにしても、もう少し何とかやりようあるだろう。

B級以下のホラー映画には、意味不明でも不思議と面白いとか、一部の場面や映像や造型、着想に光るもの( とまで言わなくても捨てがたいもの^^; )があるとか言うのが結構あるのですが、本作は単につまらなかったですね。 素材には悪くないなと思うところもあるんですけどねぇ。残念でした。

あ、ちなみに原題は 『 THE ZOMBIE DIARIES 』 ですが、ソンビものはもう変な邦題優先でいいかと f^_^;)

( 4月鑑賞分 )