『スローター 死霊の生贄』(2006・米)

スローター 死霊の生贄 (2006年・アメリカ)

 監督:ジェイ・リー/出演:ジェシカ・エリス、ザック・キルバーグ 他

 評価…★★★☆☆

<あらすじ>

ブランドンとその恋人のティナ、ブランドンの義弟タイラーは掃除のアルバイトのため、とある古い館に向かっていた。変わり者のタイラーに道中イラつかされていたティナは、館に着いてから現れた残り3人のメンバー(一応友人のカップルとヤク好きの男)と雇い主である男の態度にもイラつかされることになる。カップルはヤることしか考えてないし、ヤク好きはトリップしようとしている、タイラーはわけのわからないことを口走るし、雇い主は金持ちなのにセコく、しかも傲慢だ。ついでに言えば彼の秘書嬢はちょっと調子っ外れだ。

うんざりしながらも、マジメで責任感の強いティナとブランドンはリーダーとして、その場を取り仕切り作業を始める。すると、程なくタイラーが妙なものを見つけ出す。それは「究極の魔の力を宿すための暗黒の呪文」と題された書物だった。

ティナたちは取り合わないが、タイラーは俄然興味を示し、ついには古代の悪霊を呼び出す呪文を読み上げてしまう。その場では何も起こらず、ティナたちは引き続き清掃作業を開始し、他の連中はそれぞれの思惑で行動し、タイラーは持参のパソコンで情報を検索しつつ、その書物を精読し始める。

その結果、タイラーは驚くべき事実を発見する。この館では以前に少女が体を半分に切断され母親も行方不明になるという事件が起きていたのだ。それだけでも十分に不吉な場所といえるが、実はこの館のある場所は以前は墓地で、そこで悪霊を呼び出す儀式が行われていた呪われた土地だったのだ。その母娘の事件も土地の呪いが引き起こしたものではないかと思われていた。そして、その儀式の次第を書いた本が先ほどタイラーが発見したものだったのだ。

祭壇に足を踏み入れ、呪文を唱えた時点で既に儀式は始まっているが、儀式を完結させるにはその他の要素が必要だ。それをしないように注意して、何とかこの館から逃げ出そうと話すタイラーをティナとブランドンは半信半疑で見ていたが、ティナにはちょっと思い当たることがあった。この館に入ってから何度も不審な女性の姿を見ているのだ。

そこで、とりあえず作業を中断して全員を呼び寄せようとしたが、時既に遅く、勝手な行動をとっていた連中のおかげで儀式は着々と進行し、悪霊は実体をとり、力を備え始めていた。

仲間たちはひとり、またひとりと悪霊によって屠られていき、その上、絶命した後はゾンビのようになり悪霊の手下となって襲ってくる。果たして儀式の完了を阻止することはできるのか?


うーん、凄いつまんない話なのにきっちりあらすじを書く私って何てエラいんだろう!…と、無意味に自画自賛してみたが、これはエラいのではなくてバカなのだよな f(^_^;)

いや、これほんとつまんない映画で、★2つか3つか結構迷ったんですよ。何というか凄いグダグダなんですわ ( 最近そんなのばかり見てるような気がする…(-"-; ) 。

グロシーンとかゾンビ的になっている死体や悪霊の造型とかはなかなか良いし、途中変にコミカルになるところも結構嫌いじゃないんですが、テンポが悪すぎるし、余計な部分が多いし、流れが不自然。ギャグもちょっとすべり過ぎ。ラストも何だと!?って感じなんですが、ああ、このラストなら途中はあれでもいいのかなぁと思わせてくれるので、これは悪くはないかなと私は思いました。

まぁ、そのラストと女優陣のレベルがなかなか高い(ルックスも乳偏差値も高いです^^; )上に出し惜しみしない点を評価して、結局★3つにしました^^; ヒロインのコが一番レベル低いのはどうかと思うけど、お堅いコっていう設定だから仕方ないのかなぁ。でも、あのレベルのコに出し惜しみされるのは不快だわ。せっかくいい乳なんだし。悪霊役のおねえちゃんの頑張りを見習えよ!てゆーか、この悪霊役のコが一番美人で美巨乳だと思うんだが、何故あんなひどい役(登場シーンほとんど全裸で、しかも、大抵は変な着色されて顔も変貌させられてる)をしてるのかね? よほど演技力に欠けるのか?でも、この映画なら別にそんなもの必要ではないと思うぞ。あ、すいません、つい乳の話に我を忘れてしまいました。えーと、映画の話、映画の話。

※以下ネタバレ有り※

…と言ってみたものの、わざわざ戻るほどの話もないんだが。なので、以下はとりとめなく感想です。

えーと、個人的に好きなグロシーンは青年が箱に折りたたまれて入っていくシーンです^^  あとはぼちぼちかなぁ。

この映画は最初が良すぎたんだよねぇ。冒頭モノクロの辺りは凄く良かったのよ。半裸の女性たちが乱舞して、悪霊を呼び出して、展開はよくわからないけど、そのままお互いを刺し合って血みどろみたいになってくのね。まさにおっぱい祭りですよ(笑) 女性と乳のレベルは色々ですが、バラエティ豊かでなかなかよかったです。いや、乳だけが基準でこのシーンを評価してるわけではないですよ。念のため(説得力ないすか?)。

で、次の何十年前だかに起こった惨劇のシーンも良かった。体を切断される娘、転落して柵か何かに串刺しになる母(まだ若くて美人)。

おお、これはいい!と前のめりになったところで始まる現代劇がもうお粗末過ぎ。

このご時勢に「 くたばれブルジョア 」的なことを主張する富裕層の子弟ってリアリティなさ過ぎでしょ。あ、ここから冗談だと思って見ればよかったのかな?70~80年代ホラー映画へのオマージュで撮ってるんだなとか(実際そういうところは随所にあるが)。 まぁ、そんな感じでよくわからん無意味な人間ドラマ的設定があったり、「最悪って、ブッシュ政権くらい?」とかいう冗談にもならない冗談が連発されたり。秘書嬢のダメぶりはちょっと面白かったけど、その流れで死んじゃうと可哀想になっちゃうから無い方がよかったな。

それにしても、新型ゾンビ or 旧型ゾンビ?のくだりはふざけ過ぎではないですかね。というか間が悪いのかな。同好の士としても笑えなかったっす(-"-;)

ゾンビになって襲ってきたブライアンを見て、それでもいいわと錯乱してるティナはちょっと面白かったけど。

で、ラストはティナが犠牲的精神を発揮して、自分ごと家を爆破することによって儀式の完結を食い止めるのだが、実はそれは同時に儀式を完結させたことにもなっていて(最後にひとり殺せば終わりってことになっていたのだ)、結局悪霊はティナになりかわってしまっていたのだ!タイラーはそれに気付いた瞬間生首となり(ここの映像がチャチ過ぎて逆に笑える^^;)、ティナ=悪霊はそれを握って勝利のおたけびをあげる…ってな感じなのでした。

凄い脱力感に襲われたけど、逆に、ああ、そう、そういうことなのねって納得できたので、このラストで正解なのでありましょう。うん。

ところで、リンク貼るのにAmazonを見て初めて知ったのですが、これ吹き替え版が凄いヒドい(変な方言が多用されていて全篇おふざけ)らしいですね。字幕派なので全然知りませんでしたよ。そこまで言われたら見たいじゃないか。そんな面白いことしてるんならどこかに表示してくれればいいのに(>_<) そのためだけにもう一回借りる気にはならないしなー。ちぇっ(T_T)

私は大抵の場合、特典映像もロクに見ないので、こんな風に後でしまった!と思うことが結構あるんですよねぇ…。作品にしか興味がないとは言え、チェックくらいはした方がいいのかもしれませんなぁ。でも、吹き替えの状態までチェックしたくねぇ(-"-;)

まぁ、そういうことらしいので、もし、これからこの映画を見ようと思っている物好きな方がいらしたら、ぜひ吹き替え版も鑑賞なさってみて下さいね(^_^;)b

ちなみに原題の「 slaughter 」 は「 虐殺 」 といったほどの意味みたいですね。今回は副題が付いてるので、やむなくカタカナ題名を見逃してやりました。この副題のありがちな胡散臭さは私は嫌いじゃない(それに実は内容にちゃんと合ってる!)がパッケージの説明文はやり過ぎだよなぁ。サム・ライミ全然関係ないのに。あと、私は鑑賞中『 死霊のはらわた 』なんかこれっぽっちも想起しなかったすよ^^;