『 プレイ 』 山口 雅也

PLAY プレイ (講談社文庫)  ◆ PLAY プレイ  山口 雅也 ( 講談社文庫 ) \730 評価…★★★☆☆ <作品紹介> 外科医が、愛するぬいぐるみたちと興じる、秘密の「 ごっこ遊び 」。 怖ろしい罠が待ち受ける「 ボード・ゲーム 」。 引き篭もりたちが、社会復帰のためにと熱中する「 隠れ鬼 」。 自分の家族がそっくりそのまま登場する 「 RPGゲーム 」 。 四つの奇妙な 「 遊び 」 をモチーフにした超絶技巧の、ミステリ・ホラー短編集。  ( 文庫裏表紙紹介文 )
個々の作品について好みによる評価のばらつきはあるけど、全体的にはなかなか良いかな。 どれも謎解きミステリという感じではなく、むしろホラーの雰囲気漂う作品。私見では著者の作品にしてはどれも割と素直でわかりやすい感じ。 なので、文庫裏紹介文の「 超絶技巧 」は「 え? 」 だね。 いい作品なんだから余計なこと書かなくてもいいのにね。 余計なと言えば、この紹介文中に 「 RPGゲーム 」 って書いてあるのだが、それって ロールプレイングゲームゲーム 」 だよな(-_-;)  コンピュータゲームというのを表したかったのかもしれないけど、それじゃ表せてないし。 ってか、今どき「 RPG 」 って聞いて本来のアナログの方( テーブルゲームというのかな? )を思い浮かべる人はまずいないんじゃないか? むしろ知らない人の方が多かったりして。 ちなみに収録されているのは、それぞれ独立した短編なんだけど、後半の2つは登場人物がちょっとだけリンクしているみたい。 個人的にはインドのボードゲームが題材になった 『 蛇と梯子 』 が一番好きかな。これが一番正統派ホラーっぽい感じ。ある意味シンプルな話だけど。 RPGが題材の 『 ホーム・スウィート・殺人( ホミサイド )』 もベタといえばベタだけど面白い。 ベタといえば 『 ぬいのファミリー 』 の方がもっとベタなんだけど、これはそもそもタイトルでネタバレだからね。 女子でありながら全くぬいぐるみ愛のない私( おかげで色んな人を暗い気持ちにしたり、自分が暗い気持ちになったりしています… )は共感は全然できないのだが、大昔に新井素子のファンだったことがあるのでぬいぐるみ好きの人の気持ちや生態は何となくわかる( 笑 )  彼女も 「 ぬいさん 」とか言ってたような気がするなぁ。 『 黄昏時に鬼たちは 』 は引きこもりサポートのNPO法人、隠れ鬼サークル等と題材が新奇で、仕掛けもなかなか面白いんだけど、個人的にあんまり好きじゃないなぁ。  作品としては面白いと思うんだけど、何と言うかなぁ…、登場人物とかテイストがどうも…。 まぁ、この作品集全般があんまり後味のいいものではないんだけど。