『スネーク・ダイヴ 』 ( 2009・米 )

スネーク・ダイヴ [DVD] ◆ スネーク・ダイヴ  ( 2009年・アメリカ ) 監督:フレッド・オーレン・レイ/ 出演:ルーク・ペリー、クリスタ・アレン、トム・ベレンジャー 他  評価…★★☆☆☆ <あらすじ> 上官の理不尽な指令に逆らったために有能な指揮官でありながらも職を解かれることになった米海軍中佐オニール。彼の能力を惜しんだ上司の計らいで、あるつまらない任務をこなすことによって首という形にはならないことになった。その任務とは、米軍では使い物にならなくなった潜水艦を払い下げるために台湾へ運ぶことだ。最低限の設備と人員で済ませるために有能な指揮官である彼を使おうということらしい。それでも、副官に気心も知れ腕もある男をつけてくれたので何とかなるだろうと、航海を始めた矢先に別の任務を申し付かる。 航路近くの海域で中国海軍による演習が始まるので、その海域の孤島で軍のための研究をしている研究者を救出してくれというのだ。研究内容は極秘のため何も話せないというが、それは特に問題ではない。研究者である博士がアンドレアというまだ若く美しい女性だったのには、狭苦しい上に設備もない男所帯としては少々参ったが、それも何とかなるレベルの話だ。とりたてて、問題はないと思っていたオニールだったが、予想を裏切り立て続けに問題が発生する。 まず、これは情報部のミスだが、演習場所が想定していたものとかなりズレていた。実際は彼らの航路は演習区域のど真ん中を通る形となっていたのだ。演習とは言え、実弾で攻撃される恐れは十分にあるし、こちらは老朽艦で設備はないも同然で、乗組員は逆に素人同然だ。全てはオニールの肩にかかっている。そして、そんな緊迫した情況の艦内で原因不明のウイルスによるものらしい死者が出る。これはタイミング的にどう考えてもアンドレアたちが怪しい。 問い詰めると、アンドレアは特殊なヘビを艦内に持ち込んだことを白状した。軍の極秘研究のために告白できなかったのだという。そのヘビは毒がある上に、大きく、凶暴らしい。そして、情況的に死者はヘビによるものだとしか思えないが、ヘビはきちんとコンテナに入れて運んできた2匹だけのはずだという。しかし、アンドレアの助手の男の様子がおかしい。実は彼はヘビを売りさばいたら金になるのではと思い、島で育てていたヘビを手当たり次第詰め込んできたのだ。そして、そこに新米クルーの不手際が重なって、大量の毒ヘビたちが艦内を縦横無尽に這い回るという情況になっていたのだ。 艦内には大量の毒ヘビ、外の海には中国軍。どちらとも戦いたくはないが、とにかく生き延び、任務を達成しなければならない。オニール中佐の闘いが始まった。
※以下ネタバレ有り※ いや、まぁ、そこそこ面白かったんだけど、ちょっと詰め込み過ぎなんじゃね?って感は否めませんね。 軍の極秘計画により南方の小島で蛇に関する研究をする美人科学者と、中国軍の軍事演習に巻き込まれるベテラン艦長…って書いただけでも濃い感じなんだけど、実際はもっとあれこれあるんだよね。 で、そのいずれも、そんなこたないだろうってヘボな理由で起こるんだけどさ。 米軍情報部が中国軍の演習場所と時間を間違える? とか、ずっと助手をやってたくせにヘビが動いたくらいでビビって血清を全部割ってしまうくらいダメダメなのに、金目当てで( と言っても、明確なあてがあるわけでもなく )ヘビをこっそり持ち込む男って…とか 。 しかし、まぁ、科学者の助手以外には共感も同情もできるし、その助手も妙に憎めなかったりもするし、潜水艦の中に大量の凶暴な毒蛇、そして、一触即発な情況というのも確かにサスペンスフルで悪くはなかったですよ。私はミリタリーな感じの話には全く興味はないんだけど、それでも艦長の手腕にはそれなりに感心したし、その傍ら蛇にも対応するのにも感心しましたね^^; ちょっとご都合主義かなとは思うけど。 俳優もみんな魅力的だし、変な恋愛模様とかも発生しなかったしね。サービスシーンとかも全くないのだけど、紅一点がほんとに言葉通りの意味で、しかも、それがそこそこの年齢の方であることを考えるとやむを得ないかとは思いますね。 しかし、いくら美人とはいえ、あのくらいの年齢の女性に対してああいう発言が為されるってのはやっぱ外国だなぁと思いましたね。日本じゃまず有り得ないですよね。知的な女も、若くない女も忌避される国だもの。 で、ラストも変にハートウォーミングな感じで、何かどんでん返しがあるんだろうかと思ってたけど、全くなく終わるという妙な感じ。博士の入院してる病院に艦長と副官がお見舞いに来て、世間話して終わりなんですよー。変な色恋があるのが嫌いな私ですが、こんなだったら博士が艦長にお礼を兼ねてキスくらいしてもいいのでは?と思ったくらいです。 題名からして 『 スネーク・フライト 』 の2匹目のドジョウを狙ってる or そういう誤認をさせようとしてるんだろうなぁとは思うんだけど、色んな意味で遠く及びはしません。ヘビという点でも、ホラーという点でも、娯楽映画という点でもね。しかし、まあ、それはそれとして、本作は本作なりに見る価値はあると思いますよ。 エログロホラーが見たい!とかって人はダメだろうけど、フツーに楽しめる映画が見たいって人にはこれで十分だと思う。ある意味、『 スネーク・フライト  』 よりいいかもね。 …と言っておいてなんだけど、実は原題は違うんですよね^^;  『 SILENT VENOM 』 だって。  えーっと、『 沈黙の毒液 』 ? それはそれで意味不明だな…(*_*) ( 2月鑑賞分 )