『 ゾンビ・オブ・ザ・デッド 2 』 ( 2001・米 )

◆ ゾンビ・オブ・ザ・デッド 2  ( 2001年・アメリカ )

 監督:マイケル・J・へイン/出演:スプラグ・グレイデン、トム・カヒル、アル・トンプソン 他

 評価…★☆☆☆☆

     

<あらすじ>

アメリカ・ニュージャージー州にあるジェンテック社は町の外れの研究施設で秘密裏の研究をしていた。部外者はもちろん関係者の出入りも厳重にチェックされており、周囲の柵には高圧電流が流れている。政府からの依頼で遺伝子研究をしているという話だが、その研究内容は遺伝子操作から人体実験にまで及ぶという噂だった。

その噂を聞きつけた町の人々の中には反対運動を起こすものもおり、中でもモーリス神父らは強硬派だった。町の保安官はジェンテック社に胡散臭いものを感じながらも、相手は大企業でもあり事があるまでは静観の構えでいたが、周辺のパトロールだけは怠りなかった。ただ、そのパトロールにはもうひとつ具体的かつ差し迫った理由もあった。町の若者たちの一部が、ジェンテック社の広大な敷地内に不法侵入し、芝生の上でバカ騒ぎをやらかすことが多かったのだ。若者たちのひとりであるローラの父親はジェンテック社の警備員で、あそこは本当に危険だから近寄るなと言っていたが、彼らはそれすらも聞く耳を持たず、行動はエスカレートする一方だ。

そんなある日、ジェンテック社の中では大規模な実験が行われようとしていた。秘密と安全保持のため出入りは厳重に禁じられ、電話もできない状態だ。しかし、そんな折も折、モーリス神父らはジェンテック社の違法を暴くため、用意していたカードキーを使い社内に不法侵入してしまう。そして、ローラたち若者連中も同様に敷地の芝生の上でバカ騒ぎを始めていた。そこに保安官が現れ、ローラたちは捕まるが、そのとき研究所内で何事かが起こった気配があった。保安官らは駆けつけるが、一足先に侵入していた神父らは既に信じられない光景に遭遇していた。それは研究所内一杯のゾンビだった。

実はジェンテック社が研究していたのは、不死の兵士を作るためのウィルスだったのだ。そのウィルスが体内に入った人間は一旦死亡し、ゾンビとなって蘇るのだ。しかし、研究途上のため、感染者は自分が制御できない状態になり、相手構わず襲いかかる。さらに、そのウィルスは経口感染するという。そして、実験中の事故でそのウィルスを含んだガスが研究所内に漏れ出してしまい、社内にいたほとんどの人間がゾンビとなってしまったのだ。


いやー、これは凄い。見てて気が遠くなるかと思ったくらいつまらない。この内容で93分は長過ぎるわ。意味不明な邦題からして全く期待はしてなくて、むしろZ級かしらというほのかな期待を抱いてたくらいですが、あらすじを見る限り物凄くベタな設定でそんなに失敗のしようがないし…と思ってたのですが、いや、もうこれが本当に驚き呆れるばかりのつまらなさ!この内容で93分は長過ぎだろう!気分的には二時間半くらいに感じたよ。

まず、映像がいきなり物凄い安いのね。どうみても映画の映像じゃない。私はそういうのにこだわりは殆どないんですが、テレビにしても安いって感じの画面で、それなのに異常に明るいのですよ。何かもう、見た瞬間に消したくなる感じでした。そして、もちろん役者陣もひどい。ほぼ全員がルックスも含めてどこで拾ってきたんだろう?というお粗末さ。構成とかテンポの悪さは言うまでもないですね。

※以下ネタバレ有り※

…というような映画なので、評価は初の★ゼロだなと思ったんですが、ゾンビパニックが起こってからはこれが意外に捨てたものではないんですね、マニア的には^^; ゾンビ演技はいまいちなんですが、数が多いし、昔のゾンビ物みたいに得体の知れない内臓を貪るシーンが妙に長々と撮られていたりで。あと、人工のウィルスによってゾンビになるのですが、その試作中のビデオがなかなか面白かったのと、定番のゾンビと違って頭部を破壊するだけではダメで、動けなくなるくらいに身体を破壊しなければいけないという設定もよかったです。兵士に利用しようとしてるから丈夫に作ってるのかな? まぁ、その設定は実際にはそれほど守られてない感じですが。

そんなこんなで突っ込みどころが余りにも多過ぎて、さすがの私も何も言う気にならないのですが、高圧電流の流れてる柵に触れて感電して死にかけてたはずのジョーが、最後の方では突然何の説明もなく元気になって自力で動いてたのには思わず笑ってしまいました^^;

あと最後の切り札であるはずの「 掃除部隊 」が物凄くへなちょこで、あっさりやられるのにも突っ込むよりむしろ笑ってしまいました。政府がらみのプロジェクトみたいだったから、てっきり正規軍なんだと思ってたけど、あのダメっぷり( 実戦経験すらなさげだった )からすると私設軍なのかしら?

いやぁ、余りにもダメな作品を見ると人は優しくなれるものなのですねぇ(爆) これ、映像がちゃんと映画レベルだったらZ級に認定してあげてもいいのになぁ。ストーリー自体はまともなのにここまで破綻してるって逆に凄い。

あ、ちなみに安いレベルの女優さんしか出てないのですが、それでも自分を安売りしない女性たちらしくサービスシーンは全然全くありません(笑) でも、余りにもつまらない映画なのに動転して、そんなことは全く気になりませんでした。ほんとに今書いてて初めて気付いたくらい。いやぁ、凄い映画だ。

ちなみに邦題は意味不明なのですが、原題も『 Biohazardous 』と意味不明なので、もうどうでもいいかと。

それと、これ「 2 」 って付いてますが、前作とは全く関係ないみたいです。よくある適当にシリーズもの作っちゃえ作戦ですね。さらに言えば、あの作品と間違えるか関連があると誤解して買ってor借りてくれたらいいのにという願いも込められてる感じですな。ウワサでは前作も相当に凄いシロモノらしいのですが、最寄のレンタル店にないので残念ながら私は見てません。