『 D.N.A.リローデッドドクター・モローの館』（ 2004・米）

◆　D.N.A.リローデッドドクター・モローの館　（ 2004年・アメリカ）

　監督：チャールズ・バンド

　出演：ピーター・ドナルド・バダラメンティ、ジョン・パトリック・ジョーダン、ロリエル・ニュー他

評価…★★☆☆☆

＜あらすじ＞

顔と身体は立派だが能力に欠けるエリックは見世物的な試合をするボクサー。同じくボクサーだが、こちらはもう少し優秀な兄が失踪し、エリックと彼が思いを寄せる映画系新聞記者のメリー・アン、兄の恋人のジュディスと３人で行方を捜していた。そして、兄が最近通いつめていたという少々いかがわしいクラブにたどりついた。

女性陣に車で待機してもらい、聞き込みに行ったエリックは店のストリッパーに目を奪われる。ゴージャスでセクシーな金髪美女なのだ。マスターの話ぶりでは、どうやら兄もこの女性に入れ込んでいたらしい。そこに彼女に言い寄る男が現れた。男はどうもこの辺の顔らしい。兄の失踪の原因はこの辺りにあると見当をつけたエリックは、仕事を終えて店を出る美女の後を追う。

すると、そこに先ほどの男が現れ、今度は力ずくで言い寄り始める。そして、次の瞬間にエリックは驚くべき光景を目撃する。美女が素手の一撃で男の顔面を粉砕したのだ。そして、その死体を平然と自分の車に載せて走り去っていった。あまりのことに呆然としながらも、もしや、兄も同じ目に？と思ったエリックは、すかさず車に戻って事情を説明し、彼女の後をつけるように言う。

やがて、辿り着いたのは町外れの大きな館だった。門を開けて女を出迎えた男は、死体を見て何やら文句を言っているが、それは死体があることについてではなく、その死体の状態についての文句であるらしい。それを見て、ここは間違いなくまともな場所じゃないと確信する３人だったが、とにかく兄を探すために中に忍び込むことにする。

しかし、そこにはやはり恐ろしい事態が待ち受けていた。彼ら３人の前に立ちはだかったのは異形のものだった。人語を語り、人に近い体型ではあるが、顔は完全な獣なのだ。そして、彼らは人間の体を使って何事かを行っているらしい。

※以下ネタバレ有り※

リローデッドということは続編的なんだろうけど原典には続編はないから、多分全く違う話かダメ映画だろうなぁと理解した上で借りましたが、まさにその通りでした^^;　

まず、最初は時代設定がよくわからなくて、ちょっと混乱するのですが、一応そこは正統な続編という感じで原典の時代（１９４０年代？）みたいですね。モロー博士が生きてることになってるし。まぁ、時代設定がどうであろうと余り影響のないような話ではあるんですが、当時のモダンガールって感じの女性のファッションがちょっと素敵なのと、映画全体も当時のものみたいにのんびりした感じで、妙なところでウィットのある台詞があったりするところが私は結構好きでしたね。

獣人製造に勤しんでいたモロー博士の島で獣人たちの反乱が起こり、博士とその助手は獣人と共に本土に戻り、助手が所有していた精神病院の跡地で彼らを人間に戻す研究をさせらることになった。そのためには人間の体が必要で、獣人の中で唯一完全なヒト型を保つことができ、かつ美しい容姿をもつアリアナ（豹の獣人？）がそれを調達する役目を果していた。そこにエリックら３人が訪れ…というお話はメチャクチャとしか言い様がないシロモノなんですが、時間も短い（７２分！）し、女優さんはみんなキレイだし、エリックも外見は悪くないし、ブタ人間も面白いし、まぁ、見て損をしたという感じではなかったです。

一番私好みの女のコが早々に残虐かつ無意味な殺され方をしたのだけは難点でしたが。新しい獣人を作る材料にするという話だったのだが、何でだか麻酔もされず、怪力の獣人に素手で引き裂かれるのですよ。ひど過ぎる…(T_T)　もう一人の方（ジュディス）はブタくんのお気に召したらしく、獣人の子孫を残すお相手にされるべく生かされるのですが、特に何事もないというのにあんまりだわ。エリックは何故自分の恋人を助けずに兄の恋人を助けるんだよと思うけど、彼はバカで無能という設定みたいだから仕方ないのかしら。単純バカのくせにアリアナをひっかけただけ頑張ったと評価してやるべきなのでしょうね。ああ、かわいそうなメリー・アン(/_;)

でも、最後の後日談みたいなシーンで、何故だかジュディスが最初に出てきた店のストリッパーになってて、口から蛇みたいな舌をのぞかせていたが、あれはいつ改造されたんだろう？しかも、全然登場してない蛇に？（どうでもいいことですけど蛇だったら「獣人」ではないですね）

そして、改造されたからと言って何故ストリッパーにならないといけないんだろう？？？　あの程度なら別に生活に支障なさそうだし、かつての獣人たちの人体調達は改造手術（獣人→完全なヒト）に材料が必要だったからであって、普通に生きてれば別に人をさらう必要もないはずだよねぇ？そもそも、さらってきても手術してくれる人いないしね。謎だ。って、謎ばかりの話なんで、もはやどうでもいいけど（笑）