『 スケルトンライダー 』 ( 2007・米 )

◆ スケルトンライダー ( 2007年・アメリカ )

 監督:ボブ・ロバートソン

 出演:ブルース・ボックスライトナー、ウィリアム・カット、クララ・ブライアント 他

評価…★★☆☆☆

<あらすじ>

アリゾナの砂漠地帯でのリゾート開発で、先住民カトナ族と建設業者の間で対立が起きていた。その土地はカトナ族の先祖の墓地があった場所であり、さらに呪われた存在がいる可能性がある穢れた土地で、そこを掘り返すのは危険だというのだ。

都会人で拝金主義の開発業者は彼らの言い分など全く聞き入れようとしない。間に立つ保安官としては、何らかの遺物が出てきたら法律に従って作業を中止することを言い渡すことしかできなかった。

しかし、利潤を追求する業者は、遺物が出てもかまわずに作業を進めるよう現場監督に密かに指示していた。それが惨劇の幕を開けることとなる。発掘現場から出てきた遺骨を含む遺物を、壊して捨てようとした作業員の前に巨大な骸骨の魔物が現れたのだ。そいつにはどんな物理的攻撃も効かないが、人間はそいつに触れられただけで肉体が全て塵となり消え去るのだ。瞬く間に消滅した作業員に続いて、発掘現場の研究者たち、一般市民…と犠牲者は増える一方だが、何の証拠も残らないため捜査のしようがない。困惑する保安官らだったが、開発業者の方はカトナ族の妨害だといきり立って迫ってくる。

一方、カトナ族の首長は、この事態が何によるものか明確に認識していた。恐れていた通り、あの地に封印されていた伝説の魔物が甦ったのだ。保安官のエバンスはカトナ族首長の血を引いていることもあり、彼らの言うことを全く否定はしないが信じかねていた。それに、信じたとしても証拠も無いし、開発業者や上司に説明のしようがない。

しかし、事態は急迫。無敵とも思える魔物による次々と犠牲が出て、とうとうエバンス自身が魔物と立ち向かうはめになった。孤立無援のエバンスだが、彼の中のエトナ族の血と、魔物を倒すという「 聖なる斧 」 が彼を勝利へと導いてくれるのか?そして対決の時がきた。


※以下ネタバレ有り※

いやー、何だろうなぁ、このつまんなさ。すっげぇつまんねぇ。でも、何というかマジメにきちんと作ってる感があるんだよねぇ、この映画。俳優も結構いいし、映像もなかなか。設定もそんなに不自然ではない。ご都合主義な安い展開がないではないけど、まぁ、許されるレベルだし。おふざけもないしなぁ。でも、つまんない。ちょっと新しいわ。予告編見てると凄く面白そうだったんだけどなぁ。さすが、アルバトロス。

まぁ、とにかく何もかもが呆気ないんだよね。予告編で見てる時は、「 ボーン・イーター 」(ちなみにこれが原題。別に骨食べたりはしないのだがなぁ… )が触ると人間があっというまに崩壊して散っていく( 作中の台詞によれば、非常な高熱で溶けたような状態らしい。見たところは吸血鬼とかが灰や塵になって消えてくみたいな感じなんだけど )シーンが凄くいい感じだったんだけど、実際はあっという間過ぎ。容赦も工夫もなく、バンバン触って散らして消しちゃうんだもの。

そんなわけで、生き残りがいないし、目撃者もいない、証拠になるようなものも残らないっていうんで捜査が難航するというのはちょっと新しい展開だったけどね(笑) 普通こういう謎の生命体とかが犯人の場合、事件の詳細は不明で死体が消えてるとかいうパターンでも現場に血痕とか残るから、少しは想像がつくんだけど、こいつの場合何にも残らないからね。なので、行方不明としか言いようがなく、刑事事件的にもいまいち盛り上がらない^^; 

で、ラストのエバンスと魔物の対決シーンも異常なほどあっさり。「 聖なる斧 」を投げつけて命中して、魔物は苦しんで、やがて崩れながら地中に潜って、はい、おしまい、と。 嫌な予感はしたんだけど、まさかねぇ…と思ってたのに、ほんとにこれだけなんだぁと逆にちょっと感心しちゃったよ。 そこに至るまで相当に盛り上げといて、やっと対峙したと思ったら、戦うどころか、大して近づきもしないんだからね。 聖なる斧の威力恐るべし。 でも、この斧は魔物を倒した後、一緒に地中に潜っちゃうところが難点ですね。その難点があるが故のあの威力か?(笑)

そういえば、一応事件は解決したけど、全てを知ってる首長は消えちゃったし、大物らしい業者も消えちゃったし、後処理大変だよねぇ…。遺族の方々には何と説明したものか…。

うーん、突っ込みどころはあるけど、わざわざ突っ込むほどでもないからいいやって感じの作品なんだけど、凄くつまらない割には口を極めて罵りたいほどでもないというこの不思議な感じはどこから来てるのだろうか? 娘役が若くてべっぴんの巨乳ちゃんで常に谷間を見せてくれていた上に、ちょい役のコもなかなかイケてたという女優レベルの高さ故か? でも、サービスシーンは全然ないけどね。

てか、ストーリーの展開上、この娘とその彼氏 ( とても悪役顔に見えるのは私だけ? 何かを企んでるような顔つきだと思うのだけど… ) 別にいらなくないか? まぁ、そういうこと言ったら、カトナ族の問題児ブラックホークも別に全然いらないし、地元建設業者の親子の話もいらないなぁ。 あと、あの倒し方だったら、エバンスがカトナ族の血を引いてるって設定も全くいらない気がするけど、まぁ、もしかしたら、引いていない人が投げたんだったら倒せなかったのかもしれないから、そこはまけとくか。でも、そういう設定ならもう少し先住民ぽい外見の人にすればよかったのにね。あ、いかん、つい、突っ込みかけていた。

まぁ、色々あるけど、とにかくつまんない映画です^^; でも、見て損したってほどではないし、後味も悪くはないです。しかし、今回ばかりはどんな方にもおすすめはしません^^;

あ、そうそう、邦題の「スケルトンライダー」は一応ウソではなくて、骨でできた魔物は何だか分からない謎の物体 ( 骸骨馬なのか? )に乗って高速で駆け回ったりします(笑) 我々がふつう 「 ライダー 」 と聞いてイメージするものとは相当に違うけど、まぁウソではないし、むしろ原題よりは事実に近いんで、この邦題は一応アリと判定^^;