『 妖怪大戦争 』(2005・日)

◆ 妖怪大戦争 (2005年・日本)

 監督:三池 崇史

 出演:神木 隆之介、近藤 正臣、豊川 悦司、高橋 真唯、栗山千明

評価…★★☆☆☆

<作品紹介>

10歳のタダシは両親の離婚のため、母の実家で暮らすことになった。東京生まれの東京育ちで気の弱いタダシは、同級生のからかいの的になるばかりで友達もできず、なかなか田舎の生活に馴染めずにいた。

そんなタダシが偶然訪れた神社のお祭りで、その年の「 麒麟送子 」に選ばれる。麒麟送子とは、この村の伝説で世界に平和をもたらす正義の味方らしい。大勢の中からそれに選ばれるということは大変名誉なことらしいが、選ばれた子供は、大天狗が守るという伝説の聖剣を取りに、ひとりで山の洞窟へ行かなくてはならないという。田舎の子でも大変な道なのにタダシに行けるとは思えない。周りからはからかわれ、何故自分がこんなものに選ばれたのかもわからず困惑するタダシだったが、どうしても、その洞窟にいかねばならない事態が訪れた。ある夜、同居する祖父が洞窟で待つという書置きを残して、姿を消してしまったのだ。

祖父を心配するタダシは恐怖を抑えて洞窟へと向かうが、その途中で次々と奇妙な生物に遭遇する。彼らはどう見ても妖怪だった。パニックに陥りながらも助けを求める祖父の声に励まされ、タダシは先を急ぐが、辿り着いた先にいたのはやはり妖怪だった。実は彼らは麒麟送子であるタダシの助けが必要で、祖父の失踪を装って彼をここにおびき出したのだ。よくわからないままにタダシは彼らへの協力を承諾するが、そこに敵対勢力が現れ…。


※以下ネタバレ有り※

先日のテレビ版を見たのですが、余りにも下らなかったのでびっくりしました(@_@;)

でも、リンク貼るついでにAmazonのレビュー覗いて見たら、「 テレビ版の編集はひどい! ノーカットで見て! 」という意見が結構あるんですね。うーん、DVDで見るべきなのかなぁ…。でも、ベースは結局こども向けだし、あの茶番劇を124分見るのもそれはそれでツラいような…。

しかし、まぁ、下らないけど面白くないわけじゃないんですよね。妖怪好きはあれだけ妖怪が出てれば、それだけで面白いし。活躍するメンツがちょっと微妙ではあるけど、あれだけの種類を出してくれるのは素晴らしいし、造型もなかなかでした ( すねこすりはヒドいけどね… )。その他、ムダにセクシーな川姫とアギも良かったし、ショタ趣味の人は神木くんが出てるだけで充分でしょうし^^;

でも、神木くんの着替えシーンをわざわざ二重写しで、しかもアップで入れるのはさすがにやり過ぎだと思ったけどね(*_*) あの衣装だけでも相当に萌え系なのに。川姫も超ハイレグ衣装で、事あるごとに太もも強調しまくりの上に、常に肌が濡れた状態というのは余りにエロ過ぎで、子供向けとしてはちょっとどうかという気もするけど、不自然なやり方ではなかったし、何より私が嬉しかったので許す^^; でも、これでストーリーがもっとちゃんとしてたら、ムダにエロ過ぎで気が散るというクレームを入れたいところですがね。

ストーリーはまぁ、オチてるからいいんじゃない?って程度ですね。あのバカなオチは意外に嫌いじゃないんですけど( 小豆洗いがちょっとウザ過ぎるけど。岡村だと思うせいかな…(-"-;) でも、BGMは秀逸^^ )、描ききれてないところとか不自然なところが多すぎて、ちょっとねぇ。そもそも、加藤が誰だかわからないと話が全くわからないだろう。作中で全く説明されてないんだけど、あれはテレビ版だからなのかなぁ。うーん、やっぱりテレビ版しか見てないとストーリーには突っ込みにくいですね。

バカ話だけでなく、一応メッセージ性もこめられてはいるんだけど、そこがちょっと取ってつけた感じがするんですよね。川姫の 「 復讐するのは人間だけだ。だから、私は復讐しない。人間を救い、人間を愛す! 」 ( 大意ね^^; )という台詞はストレートで良かったし、タダシはそれを聞いて何かを掴んだ顔をちゃんとしてたけど、その後の行動などには特に表れてないから、こどもには伝わりにくいのではないかなぁ。自分を愛するアギを殺す加藤なんて、こどもには全くわからないだろう。あのくだりはオトナでもわかりにくい。

まぁ、突っ込みどころは物凄くたくさんあるんですが、多分わかっててやってるんだろうなぁと思うので良しとします。そもそも、『 妖怪大戦争 』 という題名でありながら、全くそういう内容じゃないし、全てが確信犯( 誤用^^; )なんでしょう。 まぁ、冷静に考えれば 「 妖怪映画 」っていう時点で、どんな豪華キャストだろうが制作費がかかっていようが、B級以下は決定なんだから、そういう生暖かい目で見なければダメですね^^;

そういえば、本作の原案に参加している京極夏彦氏は、この間ラジオで 「 僕は映画に対するハードルは物凄く低いですから。 『 うん、動いてるし、音も鳴ってるし、いいんじゃない? 』 くらいの感じです 」 というようなことを宣っていたので、映画に関しては、「 京極夏彦監修! 」 とか言う煽り文句は、 「 スティーブン・キング絶賛! 」の小説よりも用心してかかった方がいいかもしれません^^;