『歌舞伎町怪談』 岩井 志麻子

歌舞伎町怪談  岩井 志麻子 (光文社文庫) ¥600  評価…★★★★☆ <作品紹介> ホラーの女王が大暴走! 世界最大のフーゾク都市・新宿歌舞伎町での私生活を自虐的なまでに晒し、ベトナム、韓国、ニッポン、世界を股に挟んだ「三都物語」を描ききる。仲間の醜態、性癖も大暴露。家族や恋人との切なく哀しいエピソードまでてんこ盛り――。 『 志麻子のしびれフグ日記 』 として小説宝石連載時から大きな波紋を呼んだジェットコースター・エッセイ集。  (文庫裏表紙紹介文)
シマコさんは小説も随筆もどちらも面白い上に、それぞれが全く違う味わいであるという貴重な作家さんです。そして、その一見全く違う作品の根底に流れるものは実は同じものであるというところが、また面白いですね。 本書はシマコさんを囲む作家さんや編集者さんが頻出する随筆で、山田詠美氏の『熱血ポンちゃんシリーズ』の新宿歌舞伎町バージョンといった趣です。どちらも作家さんと愉快な仲間たちって感じで、登場人物も一部かぶっているくらい(笑) ただ、『ポンちゃん~』はアーバンでラブリーでハッピーな感じ(笑)なので、心が黒い場合にはちょっとツラいですが。 その点、シマコさんとは感覚的に似たところがあるので、非常に共感できることが多々あります。私もあのように生きられたら…と常々思っております。 内容的にはちょっと驚く話もあったのですが、これは詳細がわからないし真偽も定かでないので触れずにおきます。そして、凄くいいフレーズというか、私が思っていることそのままのフレーズがあって非常に感心したのですが、これは理由あって秘密にしておきます^^; そういえば、以前から思っていたのですが、私の好きな女性の作家さんや漫画家さんは大抵交友関係にあるんですね。傾向が似てるから当然といえば当然かもしれないけど。でも、シマコさんと森奈津子さんが仲良しだというのは本書で初めて知りました!毎日メールする仲らしい。びっくり(@_@;) まぁ、これも考えてみれば当たり前と言えば当たり前ですが。これに斎藤綾子氏と松浦理恵子氏が加わったら性愛作家カルテットだなぁ(笑) しかし、本書中のBさんの話は誰だかバレバレで、ちょっと営業妨害とプライバシーの侵害な感じがします…。いや、いい話なんですけどね。そして、多分当人に了解は得てるんでしょうけどね。