『少女首狩事件』 (2000・仏)

(※2005年8月鑑賞分。感想などは当時のもの)


少女首狩事件 

少女首狩事件 (2000年・フランス)

 監督:フレデリック・シェンデルフェール

 出演:シャルル・ベルリング、アンドレ・デュソリエ

 評価…★★★☆☆

<あらすじ>

フランスで実際に起きた連続殺人事件の映画化。

パリ郊外で、金髪の少女マリーが突然失踪する。捜査を続けるうちまた別の金髪の少女の死体が発見される。マリーの事件を担当する刑事ファビアンはひっかかるものを感じ過去の行方不明者リストをあたってみる。するとパリ近郊で金髪の少女が10人以上も行方不明になっていることが判明した。

一見無関係かと思われるような小さな事柄からも捜査するうちに殺人現場らしき場所が見つかる。そして近くの川底からマリーを含む7人分の金髪少女の首が発見される。


個人的に何よりもショックだったのはこの作品を既に見ていたことです(T-T)

借りようか借りまいか凄く逡巡した記憶だけが残っていて借りたことは忘れていたらしい。でも中身の記憶はきっちりあって始まった途端にそれと気付きました。

常々レンタルビデオの履歴と書棚の中身は人には見せられない、殺人事件の容疑者になった時には間違いなく不利だと思っているのですが、こんな題名の作品を2回も借りていることがわかったらまず間違いなく犯人扱いですな(T-T) でも、しっかり2回目も見ました^^;

で、中身はというといかにもフランス映画って感じ。アルバトロスというレーベルと素敵な題名に惹かれて見始めた人はがっかりすると思います。こんな魅力的な題材なのに何でこんなに叙情的なの?と思っちゃいますね。

ハリウッド映画でもS.キング作品でも本筋とは関係ない登場人物のプライベートが妙に描かれてたりして苛々することがありますが、こちらはフランス映画なのでもっとひどいです。あのポルノ女優のくだりとか伏線と思わせておいて何にも関係ないのかよ、とかまぁ色々。全体的に起伏がなく淡々としてます。ダラダラしてると思う向きもあるでしょう。

でも、何しろ題材が魅力的だし犯人も意外性があるので私はそれほど落胆せずに見られました。私はフランスとドイツの映画は相当苦手なので、それを考慮すると本作はかなりいい出来かも。フランスの刑事は全然刑事っぽくないなーとか、さすがフランス人、酒はワインとコニャックかぁ!とか、そういうところも結構面白かったし。

でも、幸せな家庭生活を営みながら17人もの人を殺した犯人の内面にもっと迫ってほしい気がします。自白せず死んじゃったのでそれは望めないんでしょうが。そういうのもあって、犯罪自体に余り力点を置いてない作品にならざるを得なかったのかな。実録犯罪物好きとしては非常に残念ですね。

ちなみに、私がこれを借りるのにかつて物凄く逡巡したのは題名に「少女」とあったからです。まだ子供っぽさを残したような年齢の子たちが犯され殺されるのなんか見たくない!…と思ったのですが、パッケージからもわかるように出てくるのは結構成熟した感じの女の子達だし、犯罪行為そのものは映像に出てこないので、なーんだって感じでした。